日本の知恵と、徳島の杉が織りなす「究極の木造建築」
板倉(いたくら)づくりとは、古くから正倉院の宝物庫や神社の社殿に用いられてきた、 日本伝統の建築工法です。 4寸角(12cm)の太い柱に溝を彫り、 そこに厚さ30mmもの杉の厚板を一枚一枚落とし込んで壁を作る。 それが板倉づくりの最大の特徴です。 一般的な住宅のように、石膏ボードやビニールクロスで覆い隠すことはしません。 壁そのものが構造体であり、同時に美しい内装仕上げでもある。 「本物の木」だけで包まれた、贅沢で力強い住まいです。
板倉づくりの3つの魅力
1. 健やかに「呼吸する」住まい
板倉の家には、家全体の木材が「天然の空気清浄機・調湿機」 として機能するという特徴があります。 杉の厚板が湿気を吸い、放つ。この「呼吸」のおかげで、 日本の蒸し暑い夏も、乾燥する冬も、室内は常に一定の心地よさに保たれます。 カビやダニの発生を抑え、アレルギーに悩むご家族も安心して 深呼吸できる環境を作り出します。
2. 家族を包み込む「五感の癒やし」
玄関を開けた瞬間に広がる、清々しい杉の香り。 素足で歩いた時の、吸い付くような柔らかな温もり。 目に優しい木目のゆらぎ。 板倉の家は、そこにいるだけで心身が整っていくような、 五感で感じる心地よさに満ちています。
3. 時を重ねるほどに「美しくなる」
新建材を使った家は、建てた時がピークで、あとは劣化していきます。 しかし、板倉の家は違います。 年月を経て、白木が深い琥珀色へと変化していく「経年美化」こそが醍醐味です。 傷も汚れも、家族が過ごした「味わい」となり、 100年先まで愛着を持って住み継ぐことができます。
知っておいていただきたい、板倉づくりの「正直な話」
板倉づくりの家は、素晴らしい魅力がある一方で、 現代の一般的な住宅(ビニールクロスや合板を使った家)とは異なる性質を持っています。 私たちは、その特性もひっくるめて愛してくださる方に、 板倉の家を選んでいただきたいと考えています。
1. 木は「動く」ものです
天然の杉板をそのまま壁にしているため、季節の湿度変化に合わせて木が収縮します。 そのため、冬場の乾燥時期には板の間にわずかな隙間ができたり、 「ピシッ」と家鳴りがしたりすることがあります。 私たちの考え これは家が生きている証拠です。 木が湿気を吸ったり吐いたりすることで、ご家族の喉や肌を守っています。 「家と一緒に生きている」という感覚を楽しめる方に、この家は向いています。
2. 究極の「高気密」ではありません
最近流行の、超高気密住宅に比べれば、板倉の家にはわずかな空気の通り道があります。 「気密性能」の数値を極限まで追求したい方には、板倉は不向きかもしれません。 私たちの考え 私たちは「密閉」よりも「循環」を大切にしています。 機械に頼りきらず、家全体が深呼吸することで、 淀みのない清々しい空気環境が生まれます。 数値上のスペック以上に、体感的な心地よさを重視した設計です。
3. 傷がつきやすく、手入れが必要です
板倉に使われる杉は柔らかく、物を落とせば凹みますし、 お子様が落書きをすればそのまま残ります。 私たちの考え 傷のひとつひとつは、家族がそこで暮らした「歴史」です。 凹みは水を打てばある程度戻りますし、 ひどい汚れは表面を削れば新しい木肌が顔を出します。 手をかけるほどに応えてくれる、育てる愉しみがある住まいです。
4. 間取りの自由度に少し制約があります
板倉づくりは壁そのものが家を支える構造(耐力壁)になるため、柱のない広大な大空間や、 壁一面の大きな窓を作るのには少し工夫が必要です。 私たちの考え 構造のルールを守ることは、そのまま「家族の命を守る強さ」に直結します。 制約があるからこそ生まれる、木の柱に囲まれた落ち着きのある空間美を 私たちは大切にしています。
最後に
板倉づくりの家は、万人向けの「工業製品」ではありません。 「自然の変化を愉しみたい」「機械よりも木の力を信じたい」 そんな価値観をお持ちの方にとって、 これほど豊かで愛着の持てる家は他にないと自負しています。
