地元、神山町に帰ってたので大埜地(おのじ)の集合住宅を
経年変化してきた外観写真と共に紹介させていただきます。
地域の山で育った木を、地域の職人が加工し、地域の建築として使う。
この循環は、単なる建材選びではなく、
その土地の文化や自然環境を未来へつなぐ取り組みでもあります。

木材には、鉄やコンクリートにはない温もりがあります。
季節によって表情を変え、年月とともに味わいを深めていく素材です。
神山にある大埜地の集合住宅では、
そうした木の魅力が暮らしの中に自然と溶け込み、
住む人に安心感や心地よさを与えています。
また、地元産の木材を使うことは、
輸送エネルギーの削減にもつながります。
遠方から大量の建材を運ぶ必要が減ることで、環境負荷を抑えられるだけでなく、
地域経済の活性化にも貢献します。
山を守る林業、木を加工する製材所、施工を担う工務店。
それぞれが地域の中で循環することで、
持続可能なまちづくりが生まれていくのです。

さらに、地域の木を使った建築には、
その土地ならではの風景を守る力があります。
土地の気候や湿度を知る木材は、日本の風土にもよくなじみ、
時間が経つほどに建築としての魅力を増していきます。
便利さや効率だけが求められる時代を経て、今、人々は
「どこで、何を使い、どう暮らすか」を見つめ直しています。
大埜地の集合住宅は、そんな問いに対して、
地域とともに生きる住まいのあり方を静かに示しているように感じます。
木を使うことは、自然を消費することではなく、未来へ循環させること。
地域の木と人の力でつくられる住まいには、
数字だけでは測れない豊かさが宿っています。

